2009年6月5日金曜日

よく歌う人は倍祈っている

賛美歌「ナザレの村里」(『讃美歌21』287)の基になった合唱曲を聴く。ボルトニャンスキー作曲で、テルシュティーゲンの詞が配されている。
(NMLで聴くことができる。ここから
男声合唱(無伴奏)で、礼拝で歌われるときよりは随分たっぷりとしたテンポ。ブレスも揃い、表現も各パートの間にズレがない。ハーモニーはしっかりと響き、男声合唱特有の「厚み」が心地よい。

このような音楽は「耳で聞く」というより、「胸に響く」と言うべきか。人声のみで演奏されるとき、音楽はより純粋に、崇高に響き、そのまま聴き手の「からだ」を揺すぶる。「歌は祈り」と言われるが、それは、精神のみでなく、「からだ」をも含む全人的な祈りとなる。だから、アウグスティヌスは、表題の言葉を語ったのだろう。