最近は、カナディアン・ブラスの演奏するCDをよくかける。もちろん、ある時点で世界最高クラスの金管アンサンブルだったことは知っている。他の演奏でも、素晴らしいと思った。しかし、これほどまでに美しい音を鳴らすことができるとは。フレーズは確かで、音程もリズムも正確。しかし、それだけでない。
あたたかく、柔らかな発音で、美しくハーモニーを響かせる。そして、より対位法的な扱いのされている部分に来ると、チューバですら、旋律的な演奏をやってのける。
アリア(サラバンドか?)の典雅なリズム感は、あたたかなハーモニーに包まれる。続く第1変奏は、打って変わって、歯切れのよいリズム。第16変奏の序曲は、付点のリズムにのって、全声部が新しい始まりを告げる。コードリベット(第30変奏)は、2つのメロディーが絡み合いながら、確かな足取りで進んで行く。
編曲も金管をよく知ったものなのだろうが、演奏者たちも、この曲の姿を知り尽くしている。